幻肢痛とミラーボックス:どのような仕組み?

幻肢とは切断した体の一部がまだあるように感じる感覚のことで、その感覚に痛みを伴う場合を幻肢痛と呼びます。ミラーボックスは鏡に残っている手や足を映し、失った側が動いているように見せるもので、リハビリテーションで使われています。結果には個人差があるため、試す前に医師にご相談ください。
幻肢と幻肢痛:何が違うのでしょうか?
手や足を失ったあとも、まだついているように感じる方がいます。転びそうになったとき、ない手を伸ばして体を支えようとしたり、もうない指にかゆみを感じたりすることがあります。このように失った体の一部の感覚が残ることを幻肢と呼びます。
その感覚に痛みを伴う場合は、幻肢痛と呼ばれます。四肢を失った方のうち、少なくない方が幻肢痛を報告しています。時間とともに薄れる方もいれば、ずっと長く続く方もいます。
| 幻肢 | 幻肢痛 | |
|---|---|---|
| どんなものか | 失った部分がまだあるように感じる | 失った部分に感じる痛み |
| よくある例 | ない手を伸ばす、かゆみ | 固まったような・まひしたような感覚、もとのけがのような痛み |
| 時間の経過 | 自然に薄れることがある | 続くことがある——医師に相談する価値あり |
なぜ失った手足がまだ感じられるのでしょうか?
神経科学者の V. S. Ramachandran は、その答えを脳の中にある体の地図に求めました。脳の異なる領域が、体の異なる部位からの感覚を担当しています。切断によってある部位からの信号が途絶えると、それを担当していた領域が、代わりに隣接する部位からの信号に反応し始めることがあります。これが可能なのは、経験に応じて脳がつながりを組み替える能力、つまり神経可塑性があるからです。
彼の報告によれば、腕を失った男性に目隠しをしてもらい、頬や唇に触れると、男性はその感触を失った手の特定の部分に感じたといいます。その説明として、手と顔を担当する脳の領域がすぐ隣り合っていることが挙げられています。
ミラーボックスはどのように使うのでしょうか?
幻肢痛の中には、失った手足が固まっている、あるいはつっているような感覚を伴うものがあります。Ramachandran は、手足が動いている様子を脳に見せれば、その感覚をほぐす助けになるのではないかと考え、ミラーボックスを考案しました。
- ふたのない箱を、中央で鏡によって仕切ります。
- 残っている手(または足)を片側に入れ、もう片側には失った手があると想像します。
- 残っている手の側から鏡をのぞくと、その鏡像が失った手のあるはずの位置に見えます。
- 残っている手をゆっくり動かすと、失った手も一緒に動いているように見えます。
彼が紹介した事例の中に、事故で腕を失い、幻のひじの痛みを抱えて暮らしていた男性がいます。鏡像を見ているうちに、事故以来感じたことのなかった腕の動きを感じたといいます。それ以来ミラーセラピーは、幻肢痛のリハビリテーションで試される方法の一つとして知られるようになりました。ただし、誰にでも同じように効くわけではなく、この記事で特定の結果をお約束することはできません。
誰でも使えるのでしょうか?
- 映すための残っている手足が必要です——鏡像を利用する方法なので、両腕または両脚を失った方には難しいです。こうしたケースに向けて、仮想現実を使う方法が研究されています。
- 事前に医師に相談しましょう——痛みの原因はいくつも考えられるため、まず幻肢痛なのか別の原因なのかを確認することが出発点です。
義肢とはどう関係するのでしょうか?
義肢の装着が幻肢痛にどう影響するかは人によって異なり、断定できるものではありません。Silobionic は痛みの治療・管理は行っていません。装着の時期は医師と相談して決めていただき、ご相談の際には感じている感覚をぜひお知らせください。それをふまえて装着・調整の日程と義肢の着け方を計画します。
よくあるご質問
幻肢痛は自然に治まりますか?
時間とともに薄れる方もいれば、続く方もいます。痛みが続く場合は、医師にご相談ください。
ミラーボックスを自宅で使えますか?
仕組みは簡単ですが、事前に医師またはリハビリテーションの専門家に痛みの原因を確認してもらい、指導を受けるのが賢明です。
両腕または両脚を失っている場合はどうなりますか?
その場合、鏡を使う方法は難しいですが、仮想現実など別の方法が研究されています。担当の医療チームにお尋ねください。
義肢を着けると幻肢痛は軽くなりますか?
個人差があり、予測はできません。装着の時期は医師と相談して決めることをおすすめします。