大腿義足のソケットがきつくて装着できなくなった——どのように合わせ直すのか? お客様の事例

ソケットが断端より小さくなると、義足を装着すること自体が難しくなり、保持が不十分なため歩行も不安定になります。このお客様は、反対側の脚に合わせた長さとアライメント、そして断端に触れる部分にやわらかいシリコーンの内面を備えた大腿義足のソケットに作り直し、抜けそうな感覚がなくなったとお話しくださいました。結果には個人差があります。
大腿義足でソケットはどんな役割を担いますか?
大腿義足(膝より上での切断向け)において、ソケットは断端を包み込み、体と義足をつなぐ部分です。その下の膝継手や足部がどれほど優れていても、ソケットのサイズやアライメントが合っていなければ体重が均等に支えられず、歩行が不安定に感じられます。そのため、部品はそのままでもソケットの作り直しが必要になることがあります。
以前のソケットの何が問題だったのですか?
お客様はすでに大腿義足を使っていましたが、ソケットが断端に対してかなり小さくなっており、装着するだけでも一苦労でした。装着後もしっかり固定されず、抜けてしまうのではないかという不安が常にあり、歩くと義足が外側に回旋して歩き方がぎこちなく見えていました。
このようにねじれた姿勢で長く歩き続けると、体がそれを補おうとするため、骨盤や腰だけでなく肩や首にまで負担がかかることがあります。
| 以前のソケットで見られたサイン | 新しいソケットで行ったこと |
|---|---|
| 装着しにくい(ソケットが断端より小さい) | 断端の現在のサイズに合わせて新しいソケットを製作 |
| 抜けそうな感覚 | 内面をやわらかいシリコーンにし、断端により密着するように |
| 歩くときに義足が外側に回旋する | 長さとアライメントを、反対側の脚にできるだけ近づけて調整 |
新しいソケットづくりで重視したことは?
1. 反対側の脚に合わせた長さとアライメント
アライメントは義肢製作の重要な要素の一つです。今回は長さとアライメントを反対側の脚にできる限り合わせ、歩行時に脚長差がもたらす違和感を減らすことに重点を置きました。
2. やわらかいシリコーンの内面
Silobionicはシリコーン義肢で培った経験をソケットにも生かしています。断端に触れる内面をやわらかいシリコーンで作ります。硬い面が直接当たる場合と比べて、断端への圧迫や皮膚の摩擦をやわらげ、断端により密着して安定した感覚につながります。大腿義足だけでなく、下腿義足にも同じ方法を用いています。
新しいソケットで何が変わりましたか?
新しいソケットにしてから、お客様の歩行は目に見えて安定しました。義足が抜けそうな感覚はなくなり、一歩ごとに足が自然に地面をとらえるようになったとお客様は話し、しばらく抱えていた不安と不快感がやわらいだそうです。快適さや結果は、断端の状態や日常生活によって異なります。
ソケットが小さくなったかもしれないサイン
- 義足をはめるのに以前より力が要る、または断端が奥まで入らない
- はめた後に浮いているように感じる、または抜けそうに感じる
- 歩くと義足が片側に回ってしまう、または歩き方が変わった
- ソケットの縁にできた圧迫痕や赤みがなかなか消えない
体重や筋肉の変化によって断端の体積は変わることがあります。ソケットがゆるくなる場合については別の記事で取り上げています。いずれの場合も我慢せずにチェックを受け、調整で足りるのか、新しいソケットが必要なのかを確認してください。皮膚に傷ができている場合は、医師の診察もあわせて受けてください。
よくあるご質問
義足全体を交換せずに、ソケットだけ作り直せますか?
はい。今回のケースのように、ソケットだけを作り直すことができます。既存の膝継手や足部をそのまま使えるかどうかは、状態を確認したうえでご相談の中で判断します。
内面がシリコーンのソケットは何が違うのですか?
断端に触れる面がやわらかいため、圧迫や皮膚の摩擦を和らげ、ソケットがより密着しやすくなります。快適さには個人差があります。
アライメントがずれているとどうなりますか?
歩くときに義足が回旋したり、脚長差によって歩き方がぎこちなくなったりすることがあり、体のほかの部位にも余分な負担がかかる可能性があります。
ソケットが小さくなったかどうかは、どうすればわかりますか?
以前より装着しにくくなった、あるいは装着後に浮いた感じがして不安定な場合は、点検を受けてください。ソケットの縁の跡がなかなか消えないのもサインの一つです。