ピンロック式か吸着式か:下腿義足に合う懸垂方式は?

下腿義足は、ピンロック式懸垂(ライナー先端のピンがソケットにカチッとはまる方式)か、吸着式懸垂(ライナーとソケットの間の空気を抜き、スリーブで密閉する方式)で保持されます。ピンロック式は安心感があり装着も簡単です。吸着式は荷重を断端全体に分散するため、義足が軽く感じられやすく、断端への負担も少なくなります。適した方式は、断端の長さ、敏感さ、活動量によって異なります。
「懸垂」とは何ですか?
一歩ごとに下腿義足は持ち上がり、また下ろされます。そのため、ソケットが脚からずれたり抜けたりしないようにする仕組みが必要です。これを懸垂といいます。最も一般的な方式はピンロック式と吸着式(圧迫式と呼ばれることもあります)の2つで、どちらを選ぶかによって歩行時の安定感や快適さが大きく変わります。
ピンロック式懸垂はどのような仕組みですか?
先端に金属製のピンが付いたライナーを巻き上げるように装着し、ソケットに足を入れると、ピンがソケット底部のロックにカチッとはまります。
- 利点 — 機械的なロックにより外れにくいため、断端(切断後に残った脚の部分)が短く、義足のずれが心配な方に安心感があります。スリーブがないので、着脱も簡単です。
- 検討すべき点 — 義足が実質的に断端の先端からぶら下がる形になるため、歩行時にその部分が引っ張られるように感じることがあります。断端が敏感だったり、すでに痛みがあったりする場合は、長く歩くと不快感が増すことがあり、同じ義足でも重く感じられることがあります。
吸着式懸垂はどのような仕組みですか?
ピンのないライナーで断端全体を覆います。ライナーとソケットの間の空気をバルブから抜き、ソケット上部にかぶせたスリーブで密閉します。空気がなくなることで、ソケットとライナーが互いに密着して保持されます。
- 利点 — 一点ではなく断端の表面全体で義足を支えるため、軽く感じられやすくなります。歩行中にソケット内で断端が動きにくく、擦れや衝撃が減ります。
- 検討すべき点 — スリーブの分、装着の手順が一つ増えます。スリーブが破れたり密閉が崩れたりすると保持力が弱まるため、手入れが必要です。

比較
| ピンロック式 | 吸着式 | |
|---|---|---|
| 保持の仕組み | ライナーのピンがソケット底部にロックされる | 空気を抜き、スリーブでライナーとソケットを密閉する |
| 荷重のかかる場所 | 断端の先端に集中しやすい | 断端の表面全体に分散する |
| 重さの感じ方 | 比較的重く感じられることがある | 比較的軽く感じられやすい |
| 装着のしかた | シンプルで、追加の部品が不要 | スリーブを追加で装着する |
| 検討されることが多い方 | 義足が外れないか心配な方、素早く装着したい方 | 立っている時間や歩く時間が長い方、断端が敏感な方 |
懸垂とアライメントはどう関係しますか?
アライメントとは、ソケット、連結部品、足部の位置と角度を体に合わせて設定することです。どれほど丁寧に設定しても、ソケット内で断端が動けば、一歩ごとにその角度がずれ、効果が失われます。吸着式のように断端とソケットが一体となって動くと、設定したアライメントが歩き方に反映されやすくなります。当院の臨床チームは、アライメントを特に精密に設定する必要がある非常に短い断端の場合でも、早い段階から吸着式を検討する傾向があります。
方式を変更したお客様はどうなりましたか?
ピンロック式の下腿義足に不快感があったお客様がSilobionicを訪れ、吸着式懸垂で新しい義足を製作しました。ソケット、ライナー、カーボン足部を変更し、アライメントを再設定しました。2つの義足での歩行動画を比べると、歩き方と姿勢の変化がはっきりと分かりました。結果は、一人ひとりの断端の状態や慣れ方によって異なります。
Silobionicはどのように決めていますか?
断端の長さと形、皮膚の状態、1日にどれくらい歩くか、現在の義足で何に困っているかを見て、懸垂方式を選びます。足部やライナーなどの部品も日常生活に合わせて選び、義足を完成させる前に、チェックソケット(仮ソケット)ですべてを歩行テストします。
よくあるご質問
ピンロック式と吸着式、どちらがよいですか?
どなたにも合う方式はありません。義足が外れないか心配な方や、装着を簡単にしたい方にはピンロック式が検討されることがあり、よく歩く方や断端が敏感な方には吸着式が検討されることが多いです。
吸着式の義足は外れることがありますか?
適合が良好であれば、空気が抜けてスリーブで密閉されるため、歩行中に浮き上がらないよう設計されています。スリーブが破れると保持力が弱まることがあるため、点検を受けてください。
ピンロック式から吸着式に変更できますか?
断端の状態によりますが、多くの場合は可能です。新しい方式に合わせてソケットとライナーを再製作する必要があるため、ご相談の際に断端と現在の義足を確認します。
アライメントは一度設定したらそのままですか?
義足の完成時に設定し、時間の経過とともに歩き方や断端が変化した場合は再調整します。違和感がある場合は点検を受けてください。